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第2回
患者さんの満足度を高めるためにTwitterを活用すべき理由と3つの対策方法

コミュニケーションツールとして活用されることが多い「Twitter」
医師や医療機関がTwitterをはじめるにあたって、気をつけるべきことや心に留めておきたいことを3つご紹介。

  • 医師や医療機関はTwitterを活用すべきだ。なぜなら、Twitterを利用する多くの患者さんとコミュニケーションを取ることで、患者さんの満足度を高めることができるからだ。

    Twitterを利用している医師が自ら登録するサイト「Twitter Doctor」には既に1000人以上のアカウントが登録されており、海外にはフォロワー数が数十万人を越す医師が複数いることがわかる。

    今回は、Twitterの現在の動向や、Twitterを使ったユーザーの満足度向上につながった事例、Twitterを導入する前に知るべき3つの注意点を紹介したい。

  • Twitterの現在の動向

    Twitterを頻繁に使うユーザー(以下アクティブユーザとする)は世界に何人くらいいるのだろうか。Twitter社の発表によると、2012年12月19日時点で「世界の月間アクティブユーザ数は2億人を超えた」と発表されている。

    2012年3月の時点で、世界のアクティブユーザー数は1億4000万人と報告されていたので、約9カ月間で6,000万人ほどアクティブユーザ数が増えたことがわかる。

    では、日本ではどうだろうか。

    ニールセン社が毎月行っている調査の中身を少し見てみたい。このデータはあくまでPCを前提とした訪問者数であり、中身を見ていくにあたって以下の点に注意する必要がある。

    • フィーチャーフォンやスマートフォンからの訪問者数を含んでいない。
    • 非会員の訪問、すなわち各SNSトップページへの訪問者やオープンなページ(facebookページ、mixiページ)への訪問者を含んでいる。
    • PCはWindows PCのみであり、MACやタブレットPCなどは含んでいない。
    • 視聴率測定しているのは家庭と職場のみであり、学校やネットカフェなどからのインターネット利用は含んでいない。

    それでは中身を見てみよう。同調査によると、2013年3月の段階で「パソコンからのTwitter訪問者数」は、1,315万人ほどいる(facebookは約1,751万5,000人)

    (出典:in the looop「mixi, Twitter, Facebook, Google+, Linkedin 2013年3月最新ニールセン調査」)

    また、Twitterのリーチ率(国内のインターネット利用者のうち、Twitterを利用している人の割合)は22.3%だった。つまりネットを使っている人の5人のうち1人が利用している(facebookのリーチ率は29.7%)

    (出典:in the looop「mixi, Twitter, Facebook, Google+, Linkedin 2013年3月最新ニールセン調査」)

    これだけ日本のTwitter利用者が多いので、Twitterを利用する患者さんも相当多いことが予想できる。よって、医師や医療機関もTwitterを活用すれば、患者さんとコミュニケーション増加につながる。また、Twitterを効果的に使えれば、患者さんの満足度の向上にもつながるはずだ。

  • Twitterで患者さんの満足度を高めるべし

    米国の大手ケーブルテレビ会社の一つコムキャストは、顧客サービスが良くないと、あまり評判が芳しくなかった。この悪評を覆したのが顧客サポート部門の幹部であったフランク・イライアソン氏だ。

    イライアソン氏がTwitterを用いて行ったサポートは「アクティブ・サポート」と呼ばれている。彼は2008年4月にTwitterのアカウントを取得すると、自らTwitter検索して自社製品のセットアップに困っているユーザーを探し出し、その問題を解決しはじめた。

    たとえばTwitterで誰かが「ここ、どう設定すればいいんだろう?」とつぶやいたとする。

    すると突然「コムキャストのイライアソンです。お手数をお掛けして申し訳ございませんが、少し詳しく教えてもらえませんか」などとフォローが入る。

    コムキャストのスタッフに宛ててツイートしたわけではない。そうしたなんでもないツイートに対してサポートが入り、問題が解決する。

    こうした体験をしてしまうと、利用者は驚くと同時に、スタッフ達の対応に感動や感謝の念を抱いてしまう、という仕組みだ。

    イライアソン氏のTwitterによるサポートにより、1年の間に2,000人以上の顧客の問題が解決し、顧客満足度は9%も向上した。

    現在、同社ではイラアソン氏の後玉として、ビル・ゲイス氏がTwitterによるサポートを担当している。

    コムキャストのようにTwitterをサポート目的に用いることのメリットは、サポートの全てのやり取りが公に公開されることだ。つまり、良い対応をすれば、それは他のユーザーに見つけられ、クチコミとして広がるのだ。一方、悪い対応をしても、誠実に謝罪すれば、ほとんどの場合は、業務に支障はないので、あまり構えない方が良い。

    僕の経験上、Twitterを含めて、ソーシャルメディアやブログは、やらないメリットより、やるメリットの方が多いので、全ての人はやった方が良い。なぜなら、顧客やユーザーはTwitterを使っているのだから。

    では、医療機関や医師はどれほどTwitterを使っているのだろう。

    『USニュース&ワールド・レポート』誌の2011-2012年度版 全米ベスト病院ランキングで3位に選ばれている、ミネソタ州にある「Mayoクリニック」は、5年も前からTwitterで患者さんとコミュニケーションを繰り返し、このアカウントは現在54万人の人からフォローされている。

    MayoクリニックはTwitterをふくめ、あらゆるソーシャルメディアを活用し、患者さんに対して情報提供、コミュニケーションを行い、患者さんの満足度を高めることに成功している。

  • Twitterをはじめる前に気をつけるべきこと

    Twitterで何の準備もなしに「良い対応を続ける」のはとても難しいことだ。そこで、医師や医療機関がTwitterをはじめるにあたって、気をつけるべきことや心に留めておきたいことを3つ紹介しよう。

    1. 目的を明確にしておく

    1つ目は、Twitterを何のために使うのか、その目的をはっきりと決めておくことだ。患者さんの満足度向上のためだろうか、あるいは、病院の情報をより多くの人たちに伝えるためだろうか。

    目的を決定したら、その目的に応じた戦略をつくろう。

    コムキャストの例のように「患者さんの満足度向上」が目的なのであれば、まず病院側がTwitterをやっていることを患者さんたちに認知してもらう必要があるだろう。そして、できるだけ専門の人を置いて、迅速に対応できるようにしたい。

    即座に応対できる体制を整えておくことで、患者さんたちからの質問やコメントにも対応できると言うわけだ。

    2. 投稿する内容や投稿頻度を決めておく

    投稿する内容や頻度を決定しておくことも大切だ。

    投稿する内容はTwitterのやりとりの中で何度か変更が行われてもよいが、あらかじめ投稿内容、扱うテーマ、文体などの目安を設定しておけば、例えば何人かのスタッフで交代して投稿する際にも、各人ごとの差異が小さくて済む。

    参考までに日本最大のTwitterカスタマーサポートアカウントである「@SBCare(ソフトバンク社)」では、一日500件程度のツイートを行っている。

    もっとも、これは極端な例。1日のツイート数の目安は、「負担がかからない程度の量」にとどめることだ。規模やTwitterにかけられる時間、人数に応じて少なめに見積もって割り当てるとよいだろう。

    3. Twitterアカウントのキャラ設定を決める

    どの病院やクリニックにも、独自のカラーがあるはずだ。Twitterアカウントでは、病院のカラーや1の戦略に沿ったキャラ設定を行うとよいだろう。

    病院内の雰囲気に沿ったカラーでTwitterが行われることで、Twitterを通して患者さんとのコミュニケーションをとる際に、いつも病院で接している時と同様の安心感を与えることができる。

  • 医師や医療機関はTwitterを活用すべき

    Twitterを利用する患者さんが多い現在、病院側は患者さんとつながり、コミュニケーションを行うために、Twitterを利用すべきだ。

    なにかわからないことがあれば、遠慮なく筆者まで連絡していただきたい。

    次の機会に、「どういった運用をすべきなのか」「どういったツールが存在するのか」など、より具体的なTwitter活用方法を紹介していきたい。

 
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