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第9回
患者さんにオススメできる人気アプリ3選

スマートフォンの利用者数があがってきた昨今。医師の方々が患者さんとの会話の際、紹介できそうなアプリ、コミュニケーションがはかれそうなアプリ3点をご紹介。

  • スマートデバイスの魅力の1つに、好きなときに好きなだけデバイス内に入れて気軽に使う事のできる「アプリ」の存在がある。

    ヘルスケアやメディカルなどのカテゴリに目を向けると、医学論文や辞典の閲覧・管理をこなすもの、薬剤検索、計算機、医療デバイスと組み合わせて使うもの、診断のサポートになるものなど、医療や実務の手助けになるような実用アプリも数多い。

    一方で患者さんにとって魅力的なアプリ、あるいは患者さんとのコミュニケーションを円滑にし得るアプリもたくさんある。薬品や病院の検索に使えるもの、症状のチェックや手当の目安になるもの、視力や聴覚などを検査するアプリ、体重や食事、生理などを記録できる健康管理アプリなどだ。

    患者さんが症状を訴えるときに、ときどき治療や助言のついでに「こんなアプリがありますよ」とアプリを紹介し、簡単に使い方を教えることで新たなコミュニケーションに繋がることもあるだろう。

    今回は、患者さんにオススメできそうな人気アプリ3点をご紹介しよう。

  • 1. Yahoo!家庭の医学

    (開発:Yahoo Japan Corp. 価格:無料 対応機種:iOS/Android)

    ※アプリの情報並びに価格は2013年10月18日段階のものです。

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    患者さんの病気や症状のシチュエーションを問わず、一家にひとつ(あるいは1人にひとつ)入れておくべきアプリとしてオススメできるのがこのアプリ。Yahoo!ヘルスケアが手がける「家庭の医学」のアプリ版だ。

    570件の病気の概要、症状、一般的な治療法が掲載されており、無料で使えることもあって家庭用に用いる簡易的な医学書としてダウンロード数やユーザーからの評判も上位をキープしている。

    使い方は一般的な家庭用医学書とほとんど同じ。16州類の部位アイコンから該当する部位を選ぶと、つづいて症状を選択する。「目」を選択すれば、「視力の低下」「目が痛い」「目がかゆい」「目や口の乾燥」の項目が表示され、それぞれの項目から病名にジャンプする仕組みだ。

    設問に答えることで自動的に病名を割り出してくれる訳ではないため、ユーザーは病名から、当てはまりそうな症例をひとつひとつ自分でチェックしていく必要がある。

    情報の量や確度については、出典が日本医療企画の「家庭のドクター 標準治療 最新版」であることもあり、信頼性や実用度はかなり高い。なお、家庭のドクターのアプリ版(Android版)も存在している。

    病気の項目には「症状」や「解説」の他、その病気に適した医療機関や手術の可能性や入院の必要性などを示す「概要」、一般的にどのような診断方法が用いられているかの「診断」や「標準治療」、「予後」「生活上の注意」、その項目の執筆者など、多岐にわたっての詳細な情報が網羅されている。

    残しておきたい病気を保存できるブックマーク機能や、ほとんどの項目が圏外でも利用可能で、場所を選ばず使用できる使い勝手の良さも大きな魅力となっている。

  • 2. お薬ノート -薬歴・服薬管理-

    (開発:Plusr Inc. 価格:無料 対応機種:iOS/Android)

    ※アプリの情報並びに価格は2013年10月18日段階のものです。

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    患者さんに複数の薬を処方するときに「服薬の補助アプリ」だ。

    実は米国では、処方箋通りに薬を飲まない患者さんが相当数にのぼっており、それに起因する医療コストの損失は2,900億ドルにのぼるという。この社会問題を解決するものとして、数々のスタートアップが服薬補助アプリを開発し、利用を奨励しているのだ。

    今回ご紹介する「お薬ノート」も服薬補助を目的とした日本語アプリ。類似のアプリは他にも沢山配信されているが、このアプリはシンプルな操作感ながら、状況に応じた設定がかなり細かなところまでできるところが優れている。

    管理したい薬の名前と服用時間を登録しておけば、アラームや画面表示でお知らせしてくれるだけでなく、薬の写真を撮って保存しておいたり、もらった日付や何日分かや服用間隔、一度に服用する量が記録できるなどの機能が備わっている。

    服用のタイミングが違う薬を管理するのは、患者さんにとっては煩雑だ。「こんなに多くの薬……飲む時間も違うんでしょ?」などと訊かれたときに、このアプリの活用をすすめてみよう。ただし、「薬だけでも覚えられないのにアプリの使い方まで覚えられる訳ない」と怒られたときには自己責任でお願いします。

  • 3. 睡眠アプリ

    (開発:koikoi.biz 価格:100円 対応機種:iOS)

    ※アプリの情報並びに価格は2013年10月18日段階のものです。

    iOSダウンロードページへ

    最後にご紹介するのは「睡眠関連アプリ」。このジャンル、日本ではかなり人気がある。

    インターネットコムとgooリサーチが行った調査では、スマートフォン利用者のうち睡眠に関するアプリを持っている人の割合は21%にのぼったという。アップルストアの「ヘルスケア・フィットネス」部門でも、心地よい音や曲によりリラックスさせて睡眠をうながすアプリが複数上位をキープしているのだ。

    「睡眠導入アプリ」は実用性を評価しづらく、一概にどのアプリがベストとは言い難いが、今回はiPhone有料総合1位、2012年アップストア年間ランキング9位獲得という実績を尊重して「睡眠導入アプリ」に登場してもらうことにしよう。

    本アプリは、雨音や波の音、鳥の鳴き声といった効果音やクラシック系のBGMなど、79にわたる音源が収録されている。タイマーや目覚まし機能もついている他、気分や体調によって音程の高低なども設定可能だ。

    このアプリのユニークな点は、睡眠を導入する効果だけでなく、仕事や勉強で疲れたときのリラックス効果、集中力を高める効果、記憶を高める効果もあることを謳っており、それぞれの目的に合わせての調整も可能になっていること。(ただし実際に謳い文句通りの効果があるかどうかは不明)

    患者さんにオススメするだけでなく、院内のBGMとして波の音や「早朝の鳥」の声などを流してみるのもリラックス効果をもたらす意味で良いかも知れない。ただし「発電機」や「ドライヤー」「アイドリング」など、リラックス効果があるとは到底思えないような音源も含まれているので、選曲には充分注意されたい。

    「睡眠アプリ」はiOSでのみ配信されている有料アプリであり、患者さんにオススメしづらい面もあるが、「Relax Melodies」(iOS/Android)や「睡眠アプリ~ドリミン~」(iOS/Android)などプラットフォームを問わず無料アプリも多く配信されている。

  • スマートデバイスの導入ができない病院でも

    米国の一部の病院では、iPadを患者さんに貸し出すことで、問診票など実用的な用途で、あるいは待合の暇つぶしに活用してもらうというシステムを採っている。スマートデバイスの活用は医師と患者さんとのコミュニケーションを円滑にするものとして患者さんからの評判も良好だ。

    一方で、医療機関でのスマートデバイス導入の実績や効果、具体的な方法論は、まだ確立されているとは言い難い。一定の魅力を感じながらも、費用対効果や安全面などの理由で導入を控えている方々も多いのではないだろうか。

    しかし、病院側でスマートデバイスを「用意する」ことだけが、スマートデバイスの活用法ではないはずだ。患者さんの持っているスマートフォンを活用する形でも、さまざまな可能性が考えられるのである。コミュニケーションの一環として、また処方箋の管理が大変な人など、患者さんへの助言の一環として、アプリ活用を考えてみてはいかがだろう。

    ※各アプリの情報並びに価格は2013年10月18日段階のものです。

 
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