文字サイズ

第5回
他のSNSにはないFacebookの特性とは?

米国でもっとも多くの医療機関で利用されているSNS、Facebook。
Twitterやmixiとはどうちがうのか、また米国ではどのような利用例があるのか。
それらを紹介しながらFacebookの特性を探ります。

  • 米国におけるソーシャルメディアの活用をレポートしている「Social Media Health Network」によると、2013年7月時点で、SNSのアカウントを有している病院は1,501軒あった。

    その中で最も利用アカウント数が多かったのがFacebookの1,264軒。Facebookは米国の医療機関が利用するSNSとしてもっともポピュラーなものだ。

    そのFacebookに迫る勢いを見せているのが、自分の居場所を記録したり、その場所について写真やコメントを残せるなど「位置情報」の記録を活かしたSNS「foursquare」で、1,116軒もあった。以下Twitter(967)、You Tube(695)と日本でもお馴染みのSNSがつづく。

    利用数の増加が目覚ましいfoursquareの特徴と活用法についてはおいおい紹介するとして、今回は日本でもお馴染みであり、長きにわたって利用されてきた実績を誇るFacebookの基本的な特徴と、その活用例についてご紹介しよう。

  • FacebookとTwitter、mixiはどう違うのか

    そもそも一口にFacebookと言っても、他のSNSと何がどれほど違うのだろうか。Twitterやmixiと比べたときのFacebookの特徴とはどこにあるのだろうか。まずはそうしたFacebookの特性について考えてみよう。

    上記の3つを比較したとき、機能面の違いが大きいのがTwitterだ。Twitterは1回ごとの投稿に文字数制限がかなり短めに設けられており、気の向いた時にさっと投稿できる使い勝手で人気を呼んでいる。

    それでは、Facebookとmixiはどうだろう?

    実はこの2つのSNSは、機能面においてさほど大きな違いがあるわけではない。Twitterのように短い文章を気軽に投稿するという使い方もできるし、ブログのように長文を書くこともできる。かつてはmixiは商用利用を認めていなかったが、現在はその制限もなくなっている。

    にもかかわらずFacebookとmixiの使い勝手が大きく異なる一番の理由は、Facebookがユーザーに対して、実名での登録を課していることにある。

    「実名および実在の情報を提供していただいています。(中略)虚偽の個人情報を提供したり、許可を得ることなく自分以外の人のアカウントを作成することはできません」

    これはFacebookの利用規約に書かれた一文だ。この規約通り、ユーザーがFacebook上で偽名を使ったり虚偽情報を入れた場合は会員から削除されるケースもあるという。

    実名が絶対条件、「友達・同僚・仲間達のつながりを深める」ことを謳うFacebookではプロフィール欄で記入できる項目も多い。

    交際関係や居住地、出身地のほか、宗教や信仰、政治観といった記入欄まで用意されている。検索機能も充実しており、名前、学校名、勤務している会社名から検索できるほか、メールアドレスやSkypeネームなどからも検索可能だ。

    友人や知人とより交友を深めたり、かつての同級生、昔つながりのあった人などと再会できるかも知れない「つながり」を提供できることがFacebookとその他のSNSとの違いを明確にしている。

    米国の医療機関では、こうしたFacebookの特性をうまく利用している。

    たとえばMayo ClinicのFacebookページでは、掲示板で医療相談や退院した患者さんのメッセージが書き込まれており、それに対してスタッフが実名で回答している。他にも患者さんからの質問にスタッフが対応したり、採用情報を掲示するなど、現在の患者さん、かつて患者さんだった人、あるいは同病院で働きたい人など、同病院に身近な人たちがアクションを起こしやすい環境を作っているのだ。

  • カラフルにページを彩る写真・動画のアップロード

    Facebookで文章や画像、動画を投稿するときに手軽に使えるのが「近況」だ。これはTwitterの「つぶやき」とほとんど同じような感覚で使う事ができる。

    なお、Twitterで1回ごとに投稿できる文字数は140字までだが、「近況」では字数制限を意識しなくても良いほどに多めに取られており、2013年7月時点では6万3,206文字まで書く事ができる。

    また、実名が基本であることを踏まえてか、プライバシーを細かく設定することも可能で、「自分だけが見る情報」「友達にだけ見せる情報」「友達の友達にまで見せる情報」「一般公開」と細かく設定できる。投稿ごとに設定することも可能だ。字数制限は6万字と短いメッセージからかなり長いものまで用途に合わせて書き込める。

    「投稿」では「写真・動画を追加」を選択することで、容易に写真や動画のアップロードすることができ、Facebookページ内に組み込むことが可能なため、写真や動画を積極的に投稿している病院も多い。

    (引用:Mayo Clinic Facebookページ

    たとえばMayo ClinicのFacebookでは、他のソーシャルメディアに投稿された健康関連の動画や記事などの紹介、疾病や治療法に関する情報、お勧めの食事メニューや健康・衛生に関する注意などが日々カラフルな画像とともに投稿されている。

    実名を活かした患者さんの医療相談は、ともすれば患者さんの重要なプライバシーを侵害することにもなりかねず慎重に扱う必要があるが、健康や衛生に関する記事であれば大きな問題なく記載できるはずだ。

    また、医師がメッセージを送る自己紹介などの動画や、病気に関する情報を解説している動画なども見られる。医療スタッフや設備を紹介する動画は、まだその病院を訪れたことのない人にその雰囲気を伝え、親しみを持たせることができるだろう。

  • まとめ

    今回ご紹介した医療機関によるFacebookの発信内容は、大まかに分けて以下の3種類に分類することができる。

    1. 患者さんとの触れあいなど、実名制を活かしたコミュニケーション
    2. 画像や動画機能を活かしたスタッフや設備の紹介
    3. 食事メニューや健康関連など、利用者の生活に役立つ情報の発信

    1番の方法は既に来院したことのある人々との関係をより緊密にする効果が高く、3番の方法は幅広い層の人たちに病院を認知してもらうのに役立つ。2番は両者の中間と言える。

    これら全ての種類の投稿を定期的に行っていくことは、専門のスタッフを抱えていなければ難しい。もし投稿内容に迷われている方がいるなら、現在の患者さんとの関係を深めて少しずつ口コミを広めるのか、それともより多くの人に病院の存在を知ってもらうのかの目的から投稿する内容を選んでいくとよいだろう。

 
本コンテンツを知人に勧める可能性は、どのくらいありますか?