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第1回
診察や医療現場で使用したい6つのアプリ

病院での診察や業務の効率アップにつながる、スマートフォンやタブレット用アプリについてご紹介。
忙しい医師が絶対に現場で活用すべきアプリとは。

  • タブレットやスマートフォンの利用率は日々高まっている。手軽に情報の閲覧・共有が行えるこれら携帯端末は、多くの職場で積極的に活用されており、医療現場も例外ではない。

    医療の現場でこれら携帯端末に期待される役割のひとつが、医療従事者同士や医師と患者とのコミュニケーションの円滑化だろう。

    本格的な入力作業・編集作業はパソコンには到底敵わないが、ちょっとした情報閲覧や、人と人のつながりをより密接にするのには、スマートフォンやタブレットは非常に優れたものがある。

    今回はそんな情報閲覧の簡略化や、円滑なミュニケーションに貢献できるスマートフォン/タブレット用アプリを6種類集めてみた。

    ※一部有料アプリも含んでおります。

  • 1. 医薬品添付文書 2013

    (価格:3450円 iPhone/iPadに対応)提供元:オーバーサイク株式会社

    ※アプリの情報並びに価格は2013年10月18日段階のものです。

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    医薬品が必要なとき、いつも最新の情報を参照しておきたいもの。しかし、紙の資料を取り寄せたり、各社それぞれの情報源を追うのはなかなか手間がかかる。「医薬品添付文書2013」はそんな悩みを解決してくれるアプリだ。

    製薬会社が作成した添付文書情報をもとに、財団法人日本医薬情報センターが収集・整備した「JAPIC 医療用医薬品添付文書情報データ」から作成したもので、約1万5000品目にのぼる医療用医薬品の添付文書情報を検索できる。

    製薬会社の添付文書が改訂されるごとにアップデートで対応するため、常に最新の医薬品添付文書情報が検索できることが大きな魅力となっている。診察室でタブレット端末とともに活用したいアプリだ。

  • 2. MedCalc

    (価格:200円 iPhone/iPadに対応)提供元:M. Tschopp & P. Pfiffner

    ※アプリの情報並びに価格は2013年10月18日段階のものです。

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    計算にかかる手間を省き、より簡単に正確な値をはじき出せるのが、この医療用電卓アプリ「MedCalc」だ。170種類以上の公式、スコア、尺度、各種分類、さらにガンマ計算に対応している。

    現場でちょっとした換算や計算をする際、一般の電卓は使いづらいと感じている方におすすめ。すでに数多くの医療従事者に利用されており、使いやすさにも定評がある電卓アプリだ。

  • 3. AFib Educator

    (価格:無料 iPhone/iPad・Androidに対応)提供元:sanofi-aventis U.S. LLC.

    ※アプリの情報並びに価格は2013年10月18日段階のものです。

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    正常の心拍動と、心房細動の心臓の動きがアニメーションで参照できる。構造を視覚的に理解してもらうための補助的なアプリとして、新人教育や患者への説明などに活用するといいだろう。

  • 4. MediSafe Project

    (価格:無料 iPhone・Android対応)提供元:MediSafe Project

    ※アプリの情報並びに価格は2013年10月18日段階のものです。

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    本来は患者自身が薬を管理するためのアプリだが、服用状況を医師やケアスタッフに報告する機能がついているため、診察現場での活用も見込める。

    処方された薬の種類や量の管理、服薬時間の通知、服薬した際のレポート・報告の3つの機能があり、患者に使用してもらうことで、処方した薬をしっかり服用しているか、来院の手間をかけることなく確認できる。

    患者側も医師に服薬管理されているという意識を持つことができ、治療への主体性がより高まるアプリだ。

  • 5. OsiriX HD

    (価格:3000円 iPhone/iPadに対応)提供元:Pixmeo SARL

    ※アプリの情報並びに価格は2013年10月18日段階のものです。

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    Mac用の無料ソフト「OsiriX」の姉妹品となるDICOM画像ビューアー。3D画像の作成にも対応している本家とちがい、2D画像のみの対応となっている。

    超音波、CTスキャナ、MRI検査、ポジトロンCTなどの画像をDICOM形式で表示し、画像のズーム、パン、シネ表示、コントラスト調節などを直感的に行える。WiFiや3Gネットワークを介して、他のDICOM画像デバイスから画像を受け取ることも可能だ。なお、暗号化されたVPN接続も一部利用できる。

    大量の検査結果データを整理したり、該当データを探し出す検索機能が搭載されており、棚から検査結果を探す手間や、検査結果の保管場所にまつわる苦労を解消できる。

    院内のどこからでもX線装置などの画像をiPadで参照できるため、患者への説明や手術室・会議での利用など、幅広い用途が期待される高機能なアプリだ。

  • 6. EIR

    (価格:無料 iPhone/iPad・Android対応)提供元:株式会社エイル

    ※アプリの情報並びに価格は2013年10月18日段階のものです。

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    最後に紹介するのが、医師や看護師などのスタッフ間の情報共有に大活躍するであろう、「EIR」だ。

    最近注目のクラウド技術(すべての情報をまとめてサーバ端末に置き、各利用端末からその都度サーバ端末にアクセスして情報を同期させていく仕組みの総称)を用いており、患者の状態、行った処置などの情報を時間や場所に縛られることなく医療スタッフ間で共有できる。

    医師、看護師、コメディカル、さらには在宅介護スタッフやケアマネージャーが所持する各端末にこのアプリを入れ、ログイン情報だけを最初に共有しておく。すると、治療や介護の各場面において、最初に共有したログイン情報をもとに、患者の情報や処置についての情報を随時共有することができる。

    血圧や脈拍といった形式の決まっている情報に関しては定型の入力フォームが準備されているため、入力も手間なく行える。

    さらに、アプリを入れた端末所持者同士の連絡機能を通して、前の担当スタッフの指示に対する疑問解決などの連絡ノートとしても使用できる。

    (出典:iPhone・スマフォで地域医療・介護を繋ぐ地域医療連携支援システムEIR(エイル))

    患者の自宅を訪問して介護するヘルパーや訪問看護師にとっても実用的だ。ヘルパーや訪問看護師が少しでも気になった症状を書いて共有することで、医師から見て治療が必要かどうか迅速に判断できる。

    今日ではヘルパーが医師に気を遣いすぎて、全ての情報を伝えられない傾向がある。同アプリの共有機能にはそうした問題の解消も期待できるだろう。

  • 医療アプリに見られるそれぞれの特性

    いかがだっただろうか? 今回紹介したアプリのほかにも、医療現場で使えるアプリはまだまだたくさんある。一口に医療アプリといっても、多機能・高性能を売りとした製品から、遊び感覚で使える無料アプリまで、種類も役割もさまざまだ。

    今回紹介したアプリの中でも、「OsiriX HD」や「EIR」は旧来のシステムに取って代わるほどの性能と利便性を備えている。

    これらは医療現場全体で導入することで、大きな効果を発揮するタイプのアプリと言えるだろう。反面、運用にあたっては、データ消失などのリスクを理解した上での慎重な判断と適切な管理が求められる。

    一方、「医薬品添付文書2013」や「MedCalc」、「AFib Educator」などは個人レベルで手軽に扱いやすいアプリだ。

    本格的に導入するほどの機能を備えている訳ではないが、手元にちょっとした情報が欲しいとき、計算をしたいときの手助けになり、現場や患者とのコミュニケーションの活性化も期待できる。また、運用リスクも少ない。

    アプリを導入する時には、こうした特性のちがいをはじめに踏まえておくといいだろう。今回の記事によって、導入してみたいと思えるようなアプリとめぐり会うことができたなら幸いだ。

    ※各アプリの情報並びに価格は2013年10月18日段階のものです。

 
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