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医師が開発する「治療用アプリ」に期待!2019年発売をめざす

薬や手術などの介入だけでは、対応が難しい病気が存在する。禁煙治療がそのいい例だ。そこで、常に患者の傍にあるスマートデバイスを治療に使うとして、本格的な「治療アプリ®」の開発が進んでいる。

  • 治験中の禁煙アプリが日本初となるか

    日本初の治療用アプリになるだろうと注目されているのは、呼吸器内科医が開発し2017年秋から治験が行われている禁煙治療のアプリだ。同医師が立ち上げた株式会社キュア・アップ(CureApp)が、こうした「治療目的」のアプリやソフトウェアを開発し、その事業化に取り組んでいるという。健康維持を目的としたアプリはこれまでにも多く出回っているが、治療アプリ®はそれらと一線を画しているのだろうか?

    まず、健康支援アプリとは異なり、治療アプリ®は薬事承認を得てからの発売となる。入手経路も一般のアプリとは違い、医師が処方してはじめて通院患者の手に渡る段取りだ。また、あくまで通院中の患者に対する毎日の継続的な介入を目的としており、受診に取って代わるものではない。

    なお、禁煙治療アプリ®は、「数々の論文に基づいたエビデンス」「禁煙治療のガイドライン」「医師の経験によって培われた知識」などをアルゴリズム化したものだ。そのため、患者からもたらされるデータを分析し、適切な指導が可能とのことである。

  • 広がる「治療用アプリ」の可能性

    治療用アプリは、常に患者の傍に置くことができるという性質上、生活習慣病の改善手段として数年前から世界的に注目され始めた。ソフトウェアは医薬品と比べて開発コストが格段に低く、医療経済への貢献も期待できるという。

    たとえば、米国で開発された糖尿病治療用のアプリは、インスリン投与や血糖をコントロールするための指導を行うというもので、既に新薬と同等の効果が出ている。そのほかにも、薬物依存症の治療用アプリの登場や、肺がん患者においては合併症の早期発見や栄養管理を行うアプリが生命予後の改善に役立ったというデータが出るなど、治療用アプリの実績は、最先端をいく米国で着実に上がってきていると言えるだろう。

    日本で開発が進んでいるのも、禁煙アプリだけではない。CureAppが東京大学医学部附属病院と共同で開発しているのは、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)の治療アプリ®だ。今のところ治療薬がない疾患ということもあり、注目度も高い。同社はさらに、高血圧治療アプリ®の開発も手掛けており、ゆくゆくは肺がんやアトピーなど、治療アプリ®の可能性を追求していく方針だという。

  • まとめ

    医療関係者が患者に付きっきりで指導するわけにいかず、予防や改善の難しい生活習慣病。治療用アプリがそれらに効果を発揮する日がくれば、医療業界と国家医療費に大きな変化をもたらすかもしれない。

SAJP.SA.18.12.3376
 
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