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突撃ニッポン医療! 大人の社会科見学
XRは医療へ多大なインパクトを与えていますが、5Gや人工知能など、これからの社会を変えていく最新技術とどのように融合していくのでしょうか。さらなる医療改革への道筋を探っていきたいと思います。
第5回 XRで変わる日本の医療 Vol.4 第5回 XRで変わる日本の医療 Vol.4

過去3回にわたり、XR(extended reality)による医療の変革について見てきました。今回は、医療におけるXRが5Gや人工知能などの最新技術とどのように融合していくのかについて、Holoeyes株式会社COOであり、帝京大学冲永総合研究所で医工産学横断的な研究や科学教育にも携わっておられる杉本真樹氏にお話を伺いました。

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5Gでバーチャル空間が現実の一部となり、医師と患者の境界が開放される

これからの社会を考えるとき、あらゆるモノや人をつなぐIoTの重要な基盤である第5世代移動通信システム(5G)が担う役割は非常に大きく、医療の世界では特に遠隔医療に大きなインパクトを与えると言われています。わが国でもモニターを介したオンライン診療が普及しつつありますが、モニター越しで得られる情報には限りがあります。

また、高齢者の場合、画面上での会話に慣れていない方が多く、十分なコミュニケーションが取れない可能性もあります。そのような場合、VRゴーグルを使い、医師の姿を3Dでリアルなアバターとして表示させることができれば、その場で対面しているかのような臨場感が得られます。5Gなら大容量データである3D画像をリアルタイムで表示させることが可能なのです。

◆リアルアバターを用いたリモートオンライン診療が可能な時代がもうすぐ到来

杉本氏は、「従来の遠隔医療は1対1の想定でしたが、5G時代では複数対複数、かつ常時接続しているのが当たり前になり、バーチャル空間を現実の一部として運用することも可能です。医師と患者さんとの境界がなくなり、病気の予防や早期発見、地域格差の解消、患者の悩みや課題をすくい上げやすくなっていくのではないかと考えています」とその可能性に言及しました。

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人工知能がもたらす知と経験の普遍化

5Gとともに、医療に革新をもたらすもう一つの技術は人工知能(AI)です。AIは大量の医療情報をデータ化し、それをもとに判断基準を構築していくことができます。例えば、前回ご紹介したVR医療教育プラットフォームにおけるコンテンツを作成する際など、ベテラン医師の手技や診断に、聴講者の反応をデータ化して付加価値をつけ、それを積み上げて解析することで、症例ごとの最適な治療法を提示していくことも可能になってきます。

杉本氏は「このような集合知を共有することで、経験の浅い医師でも最適解を導き出すことが可能となってきます」と指摘しています。 このように、医療とテクノロジーの融合は、医師の負担軽減や医療の質の向上につながっていきます。

XRを始めとした技術革新が、医療を新たなステージに押し上げ、人々の健康に寄与していくことを期待したいと思います。

SAJP.eMR.21.09.0006

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