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筋萎縮性側索硬化症患者における非侵襲性換気療法の早期実施:有益性は何か? Early use of non invasive ventilation in patients with amyotrophic lateral sclerosis: what benefits?

Terzano C, Romani S.
Eur Rev Med Pharmacol Sci. 2015; 19: 4304-4313.

抄録・解説 LTTプログラム委員 尾野精一先生

背景

呼吸機能の評価は、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の病勢進行のモニタリングや適切な非侵襲性換気療法(NIV)の開始時期を決定するうえで重要である。また、NIVは機能的呼吸障害に関連した呼吸疲労症状、高炭酸ガス下または夜間脱飽和下で低換気症状を認めるすべての神経・筋疾患患者において実施したほうがよいと考えられる。本研究では、ALS患者におけるNIV早期実施の有益性を検討するため、呼吸および換気パラメータを評価した。

方法

2014年3月から6月までに、ローマのウンベルトⅠ世総合病院呼吸器科を受診したALS患者46例について、動脈血液ガス(ABG)解析、肺機能検査を実施した。対象は30日ごとに4ヵ月間受診した(Time0~Time4)。全例にNIVと機械的咳介助(カフアシスト)の有益性と起こりうる有害事象について説明したうえで、Time0からのNIV開始について承諾が得られた患者をA群、承諾が得られず症状悪化後にNIVを開始した患者をB群に分類した。連続変数の群間差はpaired Student t検定またはWilcoxon検定を用いて、カテゴリー変数の群間差はχ2検定またはFisher’s exact検定を用いて解析した。変数の相関性はSpearman係数を用いて評価した。

結果

10例は心疾患、腎障害、肺癌などの既往のため除外し、解析対象はA群20例、B群16例となった。両群の性別、年齢、診断時年齢、BMI、血圧などの患者背景、Time0における経胸壁心臓超音波検査所見に偏りはなかった。Time4における呼吸機能およびABG値はベースラインに比べて全例で悪化していたが、Time4における1秒率(FEV1%)、努力性肺活量(FVC)、FEV1/肺活量(VC)、全肺気量(TLC)、最大吸気口腔内圧(PImax)、最大呼気口腔内圧(PEmax)はA群に比べてB群で不良であった。特に、B群のPImaxはTime1から、PEmaxはTime2からA群に比べて不良であり、両者は気道悪化の早期の予測因子であった。また、全例での解析では、Time0およびTime4において、PImaxとVCの間に負の相関が認められた(それぞれ、p<0.05、 r=-0.32およびp<0.05、r=-0.44)。また、同様に、Time0およびTime4においてPImaxとFEV1の間に負の相関が認められた(それぞれ、p<0.05、r=-0.5およびp<0.05、r=-0.61)。これらの結果は、ALS患者においてPImaxの悪化が筋疲労の予測因子であること、VCおよび

考察

本研究から、ALS患者の治療として、NIVの重要性が確認され、NIVの早期開始は肺機能低下や呼吸筋力の低下を遅らせるのに有用であることが示された。また、本研究ではALS患者の肺機能の負の予測因子としてFEV1の重要性が示され、FEV1の低下はPImaxの悪化に比例することが示された。また、PImaxはVCとも相関しており、PImaxはALS患者の筋力低下の指標として、VCおよびFEV1は肺機能低下の予測因子として重要であることが示された。

SAJP.RIL.19.08.2147

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