BRIGHT 試験結果

HbA1cの変化量[主要評価項目]


HbA1c(平均値) ベース
ライン時
24週時 最小二乗平均
の変化量
ランタス
XR群
8.7% 7.0% -1.6%
インスリン
デグルデク群
8.6% 7.0% -1.6%
最小二乗平均の群間差 :
-0.05%(95%CI: -0.15~0.05)

Rosenstock J, et al.: Diabetes Care. 2018 Aug 13. pii: dc180559.
doi: 10.2337/dc18-0559. [Epub ahead of print]より改変

24週時点におけるHbA1cの目標値達成割合


有効性指標 ランタスXR群
(n=462)
インスリン
デグルデク群
(n=462)
HbA1c<7.0%達成患者、% 48.7 44.9
確定低血糖(≦70mg/dL)
を発現せずにHbA1c目標値を達成した患者、%
13.4 13.0
確定低血糖(<54mg/dL)
を発現せずにHbA1c目標値を達成した患者、%
42.0 37.9

24時間低血糖年間発現件数[安全性評価項目]


夜間(00:00~06:00)低血糖年間発現件数[安全性評価項目]


平均FPG及び平均空腹時SMPGの変化量[副次評価項目]


8点SMPGプロファイル(ベースライン時及び24週時) [副次評価項目]


試験デザイン


対象患者

インスリン未治療の 18 歳以上であり、3 ヵ月以上継続した OAD±GLP-1 受容体作動薬でコントロール不十分な 2 型糖尿病患者


a 連続した最大8日間又は累計15日間のインスリン使用は例外とした。
b 1日1回、皮下注射、18:00~20:00の間
BMI, body mass index; GLP-1, glucagon-like peptide-1; SU, sulfonylureas

評価項目


主要評価項目

HbA1c の変化量(ベースライン時から24週時)
-MMRM を用いて解析し、ベースライン時の HbA1c を含む共変量で調整する
-非劣性マージンは0.3%


副次評価項目

FPG 及び空腹時 SMPG の変化量(ベースライン時から24週時)

8 点 SMPG プロファイルのばらつき


安全性評価項目

低血糖発現率及び年間発現件数

有害事象


FPG, fasting plasma glucose

インスリン投与及び用量調節


ランタスXR又はインスリン デグルデクを18:00~20:00の間に1日1回自己注射

開始用量:ランタスXR 0.2単位/kg、インスリン デグルデク10単位

空腹時SMPG 80~100mg/dLを目標として、低血糖がないように1週間に1回a用量調節:

空腹時SMPG中央値b、mg/dL 用量調節
>140 +6 単位
>120 ~≦140 +4 単位
>100 ~≦120 +2 単位
≧80 ~≦100 0
<80又は前週に症候性確定低血糖が1度認められた -2 単位
又は治験責任医師の判断による

無作為割り付け後8~12週以内に目標範囲に達するように調節(タイトレーション期間)

a 用量調節は3日~1週間に1回とした
b 直近3回の測定結果
SMPG, self-monitored plasma glucose

ベースライン時の患者背景


ランタス XR 群
(n=466)
インスリン デグルデク群
(n=463)
年齢、歳 60.6 ± 9.6 60.5 ± 9.8
性別、%(男性 / 女性) 53.0/47.0 54.4/45.6
BMI、kg/m2 31.7 ± 4.3 31.3 ± 4.4
HbA1c、% 8.7 ± 0.8 8.6 ± 0.8
無作為時の層別HbA1c、%
 <8.0%
 ≧8.0%

18.5
81.5

18.4
81.6
FPG、mg/dL 191 ± 49 182 ± 51
空腹時 SMPG、mg/dL 178 ± 41 172 ± 38
eGFR、mL/min/1.73m2 92.4 ± 26.8 90.8 ± 26.0
2 型糖尿病罹病期間、年 10.5 ± 6.1 10.7 ± 6.5

他に記載が無い限り、数値は平均値±SD
FPG, Fasting Plasma Glucose; SMPG,self-monitored plasma glucose; eGFR, estimated glomerular filtration rate


ベースライン時の患者背景 ‒ 治療歴


ランタス XR 群
(n=466)
インスリン
デグルデク群
(n=463)
前治療における非インスリン血糖降下薬使用数、%    
 0
 1
 2
 >2
0.0
15.0
38.4
46.6
0.2
14.0
40.4
45.4
前治療における非インスリン血糖降下薬、%    
 メトホルミン
 SU薬
 DPP-4 阻害薬
 SGLT-2 阻害薬
 GLP-1 受容体作動薬
 チアゾリジン薬
 グリニド薬
 α-グルコシダーゼ阻害薬
 その他
91.8
64.6
26.0
13.3
9.9
4.5
2.6
1.9
0.2
91.1
66.7
22.9
13.4
14.0
5.2
1.9
1.5
0.2

無作為化集団
DPP-4, dipeptidyl peptidase 4; SGLT-2, sodium-glucose co-transporter-2

患者フロー


有害事象[安全性評価項目]


懸念すべき特定の有害事象は報告されなかった。


ランタスXR群で死亡が1例認められた。
‒ 結腸腺癌 ‒ 治療薬との関連性は認められなかった。

ランタス XR 群
(n=462)
インスリン デグルデク群
(n=462)
有害事象 43.7 47.8
重篤な有害事象 4.5 4.3
有害事象による死亡 0.2 0.0
有害事象による治療中止 0.9 1.1

安全性集団


基礎インスリン投与量の変化量


体重への影響[参考情報]


結果の要約


ランタスXRはインスリン デグルデクと同様にHbA1cを低下させた(-1.6%):ベースライン時から試験終了までのHbA1cの変化において、ランタスXRのインスリン デグルデクに対する非劣性が認められた(-0.05% [95%CI:-0.15~0.05])。


HbA1cの目標値<7%を達成した患者又は確定低血糖なしにHbA1cの目標値 <7%を達成した患者は両群で同程度の割合であった。


ベースライン時から試験終了までの空腹時及び24時間SMPGの減少は両群で同程度であった。


試験終了時のインスリン投与量は、ランタスXRが0.54単位/kg、インスリン デグルデクが0.43単位/kgであった。


体重増加[参考情報]は両群共に低値・同程度であった。

低血糖発現の要約


24週間の治療期間全体における、24時間確定低血糖(≦70mg/dL又は<54mg/dL)の発現率は両群で同程度であった。


24週間の治療期間全体において、
・24時間確定低血糖(≦70mg/dL)の発現率はランタスXR群では66.5%、インスリン デグルデク群では69.0%であった。
・夜間確定低血糖(≦70mg/dL)の発現率はランタスXR群では28.6%、インスリン デグルデク群では28.8%であった。


タイトレーション期間(0~12週)において、
・24時間確定低血糖(≦70mg/dL)の発現率はランタスXR群では47.4%、インスリン デグルデク群では54.3%であった。
・夜間確定低血糖(≦70mg/dL)の発現率はランタスXR群では15.2%、インスリン デグルデク群では18.8%であった。


重症低血糖の発現は、両群共に低値であった。

まとめ


インスリン未使用でコントロール不十分な2型糖尿病患者に対する導入において、ランタスXRとインスリン デグルデクは比較的低い低血糖リスクで血糖値を改善した。

低血糖発現率は全期間では同程度であったが、特にタイトレーション期間にて、ランタスXRの低血糖発現が低いことが本試験によって示された。

目的

OADs±GLP-1受容体作動薬でコントロール不十分なインスリン未治療の2型糖尿病患者におけるランタスXRの有効性と安全性を、インスリン デグルデクと比較して評価する。


対象

インスリン未治療の18歳以上であり、3ヵ月以上継続したOAD±GLP-1受容体作動薬でコントロール不十分な2型糖尿病患者


方法

対象患者をランタスXR群又はインスリン デグルデク群に無作為に割り付け、24週間(0~12週はタイトレーション期間、13~24週はメンテナンス期間)治療を実施した。両群ともに18:00~20:00の間に1日1回自己注射を実施し、投与量は空腹時SMPG 80~100mg/dL(4.4~5.6mmol/L)を目標として、低血糖がないように用量調節した。


安全性

有害事象はランタスXR群の202例(43.7%)、インスリン デグルデク群の221例(47.8%)に認められ、重篤な有害事象はそれぞれ21例(4.5%)、20例(4.3%)に認められた。有害事象による死亡はランタスXR群の1例(結腸腺癌)に認められたが、治療薬との関連性は認められなかった。有害事象による治療中止はランタスXR群の4例(0.9%)、インスリン デグルデク群の5例(1.1%)に認められた。

MAT-JP-2008125-1.0-12/2021
2021年1月作成