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薬物除去方法と代謝物の半減期

薬物除去方法

アラバは経口投与後ほとんどが体内に吸収され、その大部分が速やかに活性代謝物A771726に変換される。胆汁中に排泄されたA771726は腸管から再吸収される(腸肝循環)ため消失半減期は約2週間と長い。したがって、重篤な副作用が発現した場合にA771726の体外排泄を促すためには、コレスチラミン又は薬用炭に吸着させる薬物除去法を行う必要がある。また、動物実験において催奇形性作用が報告されているため、妊娠を希望する場合や妊娠した場合も同様に薬物除去法を行わなければならない。なお、血漿中A771726濃度を胎児へのリスクが極めて低いと考えられる0.02μg/mL未満に低下させるためには、薬物除去法を行わなければ最長2年の期間が必要である。

必ず実施していただきたい症例

重篤な副作用発現時
間質性肺炎
皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死融解症
汎血球減少症
重篤な肝障害
重篤な感染症
妊娠を希望する場合
アラバの投与中止後に薬物除去法を施行しない場合は、胎児へのリスクが極めて低いと考えられる0.02μg/mL未満に血漿中A771726濃度を低下させるために、最長2年間の待機期間が必要とされる。したがって投与中止後、2年以内に妊娠を希望する場合は、血漿中A771726濃度が0.02μg/mL未満となるまで薬物除去法を行う。
投与中に妊娠した場合
投与中には避妊を指導する必要があるが、投与中に妊娠した場合には即座に薬物除去法を行い、血漿中A771726濃度が0.02μg/mL未満になったことを確認する。*1
*1
動物実験(ラット及びウサギ)で催奇形性作用が報告されている。

実施を考慮する症例

男性が挙児を希望する場合
ラット雄性生殖能試験における胎児への影響は認められていないが、アラバを服用した男性のパートナーが妊娠した場合の胎児毒性は否定しきれないため、挙児を希望する男性についても薬物除去法を考慮する。
過量投与があった場合
薬物除去法を施行することが望ましい。副作用が発現した場合には速やかに薬物除去法を行い副作用が消失するまで継続する。
他剤へ切り替える場合
薬物除去法を行うことにより副作用発現のリスクを軽減できる可能性がある。

コレスチラミンによる薬物除去法

アラバの投与を中止し、クエストラン9g(コレスチラミン無水物として4g)を1日3回、17日間を目安として反復経口投与する。
投与期間に関しては患者の症状及び検査所見を参考に調節する。

重篤な副作用発現時

クエストラン 18g(コレスチラミン無水物として8g)1日3回、11日間を目安として反復経口投与する。なお、臨床症状に応じてクエストランの投与期間を調節する。

妊娠を希望する場合

クエストラン 9g(コレスチラミン無水物として4g)1日3回、17日間反復経口投与する。薬物除去法施行後、測定間隔を14日以上あけて、少なくとも2回、血漿中の活性代謝物(A771726)濃度を測定。2回の測定値が0.02μg/mL未満であることを確認する。

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詳細はクエストラン粉末44.4%添付文書をご覧ください。

コレスチラミン投与時の血漿中A771726濃度推移

コレスチラミンを投与することにより血漿中A771726濃度は速やかに低下し、消失半減期は、通常の約2週間から、クエストラン27g/日(コレスチラミン12g/日)群で35.7±8.7時間に、クエストラン54g/日(コレスチラミン24g/日)群で22.5±2.8時間に短縮した。

その他の薬物除去方法

<薬用炭による薬物除去>

外国人健康成人にレフルノミドを投与後、薬用炭50g×3回を投与したとき、血漿中A771726濃度は速やかに低下し、その消失半減期は240時間から29時間に短縮した。しかし、国内における薬用炭の1日投与量は2〜20gであり、この投与量において血漿中A771726濃度を低下させたデータがないことから、コレスチラミンによる薬物除去がより適当であると考えられる。

<コレスチラミンの経口投与が困難な場合の薬物除去>

呼吸管理下などコレスチラミンの経口投与が困難な病態にある患者においては、経鼻胃管による薬用炭又はコレスチラミンの投与を考慮する。
また、国内市販後において、コレスチラミンの経口投与が困難なために血漿交換が行われ、救命されたとの報告がある。この症例では、アルブミンを補給して血漿交換を実施した結果、1回の血漿交換で血漿中A771726濃度が約50%に低下した。なお、本処置は保険適応外である。

山下ら:呼吸器科 8(5):421-425, 2005

代謝物の半減期

活性代謝物A771726について

アラバは経口投与後ほとんどが体内に吸収され、そのほとんどが速やかに活性代謝物A771726に変換される。胆汁中に排泄されたA771726は腸管から再吸収されるため消失半減期は約2週間と長くなる。

血漿中A771726濃度の推移(単回経口投与)

アラバは速やかに吸収され、そのほとんどが活性代謝物A771726に代謝された。

血漿中A771726濃度の推移(反復経口投与)

活性代謝物A771726の血漿中濃度は漸増し、10mg群では2週、20mg群では約16週で定常状態に達した。
定常状態の血漿中A771726濃度は10mg群で約23.9μg/mL、20mg群で約43.0μg/mLであり、また20mg群では投与2週以降30μg/mL以上を持続した。

血漿中濃度測定

血漿中活性代謝物A771726濃度の測定

下記の場合のみ、アラバの活性代謝物A771726の血漿中濃度測定が可能です。

本剤で報告された重大な副作用が発現した場合
間質性肺炎
アナフィラキシー
皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死融解症
汎血球減少症
肝不全、急性肝壊死、肝炎、肝機能障害、黄疸
感染症
結核
膵炎
その他重篤な副作用が発現した場合
妊娠した場合又は妊娠を希望する場合

測定の必要性が生じた際は弊社担当MRにご連絡ください。
検体回収後約2週間で結果報告書にて回答します。
適正使用情報としてデータを収集しますので、調査票の記入にご協力をお願いします。