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吉田:まず、必要なのが患者さんへの動機づけです。個々の患者さんに減量に対する明確な目的を持ってもらいます。しかし、こうした目的があっても、患者さんが、「自分ひとりではできない、やる気がもうひとつ」と思っているうちは成功しません。このように患者さんが悩んでいる時期は行動変容療法で言う「熟考期」と考えられます。食事・運動療法を開始するには、この熟考期から行動期まで患者さんをしっかり導くことが重要です(図1)。
また、患者さんが抱えるストレスも、治療を困難にする大きな原因になります。患者さんがなぜ甘いものを食べてしまうのか、なぜそんなにたくさん食べてしまうのか、なぜビールをやめられないのか、じっくりお話を聞くと日常茶飯事のストレスが原因となっていることがほとんどです。それをできるだけ軽減してあげることが必要です。

さらに、食事療法を継続するためには、空腹時の対応法を教えておくことも大切です。食べるものがあると、患者さんは精神的に落ち着きますので、前もって炊いた野菜やおでん風味の味付けのコンニャク・大根・人参・ごぼうなどを作って準備しておくことを勧めています(図2)。私は、キャベツダイエットと称して、キャベツ6分の1個をぶつ切りし、食前に10分間かけてよく噛んで食べるよう指導しています。また、食べ物の量に関しても、たとえば果物なら握りこぶし大で2個分、牛乳200mLを1本、お肉は8cm×4cm×8mm、お魚は刺身5切れ、豆腐は1/2丁など具体的に指示することも重要です。運動も、「夏は暑いから」、「冬は寒いから」、「部屋が狭いから」といった理由をつけて嫌がる患者さんが多くいらっしゃいます。それゆえ、「その場で足踏みするだけでもやらないよりはマシですよ」と、根気よく指導することが重要です。

吉田先生のここがポイント!
①患者さんに明確な目的を持ってもらい、動機付けする
②患者さんが抱えるストレスを軽減させる
③空腹時の対応法を教えておく

肥満を伴う2型糖尿病患者さんでは、このように積極的な生活習慣の改善を行い、体重を増加させないで血糖コントロールを良好にするよう努めることが必要です。その際、有用な選択肢となるのがSGLT2阻害剤アプルウェイ®錠です。日本人2型糖尿病患者さんを対象にアプルウェイ®錠20mgを投与した国内第Ⅲ相無作為化試験では、24週後に約1%のHbA1c値の低下が認められました。