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遺伝形式と遺伝子変異

ヘテロ接合体(女性)での発症

ファブリー病は、ヘテロ接合体(女性)でも発症する割合が高い疾患です。

女性の個々の細胞においては、2本のX染色体のうち1本が不活性化されると考えられます。 ヘテロ接合体で、変異アレルを有するX染色体が不活性化される割合が高ければ正常者に近くなり、正常アレルを有するX染色体が不活性化される割合が高ければファブリー病の症状が出現することになります(Lyonの仮説)。

図:Lyonの仮説

女性のファブリー病

  • 男性患者より発病が遅れるものの、ファブリー病が発現する場合が多い。
  • ファブリー病の重症度は個々によって異なる、軽度の場合はファブリー病の診断が見逃されやすい。
  • 高齢の患者さんでは、心臓・腎臓・脳血管などの合併症が高頻度になる。

症候性へテロ接合体では、個々の臓器で変異アレルの不活性化される割合が異なることが推測され、非典型的な臨床症状を有する原因にもなっています(各臨床症状の有病率はこちら)。

●正常アレル・変異アレル
一対の染色体上において、相対的に同じ位置にあるDNA領域のことをアレルという。ファブリー病の場合、変異アレルとはX染色体に存在するGLA遺伝子の変異を指す。X連鎖性疾患では、家族の中に広範囲に変異アレルが広がっている可能性がある。

衞藤義勝責任編集 ファブリー病UpDate 診断と治療社:51-53, 2013