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不眠症の薬物治療の中心となるベンゾジアゼピン系および非ベンゾジアゼピン系の睡眠薬は、半減期によって、超短時間型、短時間型、中間型、長時間型に分類されます。これらの睡眠薬は不眠のタイプにより使い分けられています。
不眠には、入眠障害、中途覚醒、早朝覚醒、熟眠障害などのタイプがあり、『睡眠障害の対応と治療ガイドライン』では、入眠障害には超短時間型や短時間型が、中途覚醒や早朝覚醒を伴う熟眠障害には、半減期が長く効果が長時間持続する中間型や長時間型が推奨されています1)。
しかし現実には、寝付きが悪いうえに朝は早く目が覚めてしまう、タイプが混ざった不眠を訴える患者さんはめずらしくなく、単剤では効果不充分な場合、そうした患者さんに超短時間型と中間型の睡眠薬といったように半減期の違う薬が併用されていることがあります。
こうした処方は、一見、理にかなっているように思えますが、超短時間型と長時間型の2剤を併用する必要がないことも少なくありません。長時間型は、半減期が長いからといって、効果発現時間が遅いわけではないからです。
効果発現時間については、一般にインタビューフォームの「薬効薬理に関する項目」の「作用発現時間・持続時間」の欄に記載されています。また、各薬剤の作用に関する論文で報告されている場合もあります。
それらを調べると、中間型や長時間型だからといって効果発現時間が遅いわけではなく、いずれのタイプの睡眠薬でも服用後15~30分に効果を発現する薬が多いことがわかります。
単剤で効果不充分な場合や、精神疾患を持つ患者さんに対する、日中の不安や緊張を和らげるなど別の意図があって、作用持続時間が違う睡眠薬が併用されることもありますが、前述のように、入眠障害と早朝覚醒をあわせ持つ患者さんに、半減期が短い薬と長い薬が併用されている場合には、医師に処方意図を確認してみるとよいでしょう。
医師が「半減期が長い薬は効果発現が遅い」と誤解している場合もあり、そのときは処方を見直す必要があるといえます。ただし、処方を考える際には、作用時間が長い薬や高齢者では持ち越し効果が出現しやすいことなども考慮する必要があるでしょう。
なお、15~30分で催眠作用が発現することから、どのタイプの睡眠薬であっても、寝床に入る準備をしてから服用するように、患者さんに説明することが大切です。
1)睡眠障害の診断・治療ガイドライン研究会『睡眠障害の対応とガイドライン』(じほう)2002年
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